アイスワインを用の凍結したブドウを収穫
作業風景
鳥よけのネットを外し凍結ブドウを収穫している様子
今期一番の冷え込みの中、黙々と収穫を行っています。
極限まで水分が絞られた状態のブドウ
間近で見ると干しぶどうが凍結しているように見えます。
集められた凍結したブドウ
収穫されたブドウは小振りの圧搾機に入れられゆっくりと圧を掛け搾られます。
ゆっくりと流れでてくるブドウの果汁は糖度の高そうな粘着性のある果汁です
最初に搾られてでてきた果汁を糖度計で図ってみると計測不能となってしまいました。
◎アイスワインへの挑戦
12月12日、この冬一番の冷え込み(-16.5℃)となった早朝7時、十勝ワインの製造課スタッフ10名は、清見地区のブドウ畑でアイスワイン用の凍結したブドウ(山幸種)を収穫した。
収穫されたブドウは100kg足らず、この秋にわざと収穫せずに残しておいたものである。約5アールに112本のブドウ樹、通常の収穫では300kg程になるが、この2ヶ月間の凍結・乾燥により、水分が蒸発し果実重量が減り、糖度は30度を超えてくる。特に12月に入り最低気温が-7〜-8℃の日が1週間ほど続き理想的な外気温となってきていた。後は、収穫日に-12〜-15℃ほどに冷えることがアイスワイン用ブドウの収穫条件と言われている。
果実を凍った状態で圧搾(果汁をしぼる)すると、徐々に果汁が融け出してくるが、融けている溶質量が多いほど凝固点(融点)が低くなるために、前半に出てくるのは糖分の高い極甘の果汁となる。この日の果汁も糖分濃度が40度を軽く超えていた。
こうして得られた果汁からワインを醸造すると極甘口のアイスワインと呼ばれるワインが出来上がる。糖分濃度が高いことと、低温(15℃以下)で発酵させるため、通常よりも時間がかかり(1〜2ヶ月)、発売も来年の秋以降となる見込みである。
ただし、出来上がるワインの量は、通常の約8分の1と少量のためとても高価なワインとなってしまう。十勝ワインとして、今年仕込むアイスワインは、この日の他に千代田地区のブドウ畑からも70kgほど予定しているが、200mL 容のボトルで100本程度しか生産することができない。
世界的にはカナダのアイスワインが有名であるが、日本でも、昨年の「ふらのワイン」、今年の「おたるワイン」と北海道のワイナリーが2年続きで開発してきている。本州のワイナリーでは適温となるような気象条件が難しく、北国の優位性が上げられる。
実は、十勝ワインとしても昨年からアイスワインづくりを挑戦していたが、12月の収穫前に鳥の被害に会い、せっかくの果実を収穫することができなかった。そんな反省から、今年は、鳥よけのネットをかけてブドウを見守ってきたのである。
道内ワインのパイオニアとしての十勝ワインは、2つのワイナリーにアイスワイン開発で遅れをとったが、天然凍結したブドウを使うことと一般的には難しいとされる赤ブドウ品種で造ることに新しい付加価値を見出している。通常の本格的なアイスワインはブドウの樹でブドウが天然凍結したものを使用するが、収穫したあとに凍らせてアイスワインを造るクリオエクストラクシオン法というものもある。この日の収穫も、大変寒いなか行われたが、辛い作業の表情の奥に見え隠れした、未知への挑戦を楽しむスタッフの笑顔が印象的だった。