町内圃場
地元池田町内各地の土壌で試験栽培をしており、現在の直営圃場は35haとなります。
池田町の地質・土壌が備えるブドウ栽培に適したポイントには、(1)火山灰土で通水性が良いこと、(2)砂礫を多く含み、土壌の保温が良いこと、(3)腐植度が高いこと、があります。
これまで池田町では、町内に分布するさまざまな土壌での試験栽培や町民への見本園として、町内に延べ12ヵ所、約50haの試験圃場を設置してきました。
清見地区は黒色火山灰土で透水性も高く、池田町がブドウ造りの試験・研究に着手した地区でもあります。腐植に富み、一般畑作はもちろんのこと、培土を必要とするワイン用ブドウ品種にとっては清耕栽培に適した土壌です。
乳飲沢は清見地区と同じ黒色火山灰土の広大丘陵地で、南西に斜面が広がり日照量も多いため、一大ブドウ団地を目指すべく、1975(昭和50)年から造成を始め、翌1976(昭和51)年から清見種などの栽培を始めました。しかし、千代田地区圃場の面積が増えたことや管理上の問題もあり、現在は山ブドウの自生繁殖地となっています。
千代田地区は、沖積土の中粗粒褐色低地土で、多くの小石を含んでいるため水捌けが良好です。また、十勝川に隣接した南向きの斜面で日当たりの良い圃場は、黒色火山灰土の平地よりも地温が上がるためブドウの萌芽も早く、生育も早く進みます。
今までにあった各直営圃場は整理され、現在は清見・千代田の2地区が十勝ワインにおける大規模産地となっており、合計35haの直営圃場で栽培を行っています。
仁木町
仁木町は、古くからリンゴや生食用ブドウが栽培されてきた道内有数の果樹産地です。1970年(昭和45)年、池田町のワイン醸造量が徐々に増えてきたことや、仁木町でも稲作転換によりブドウ栽培が増えてきたことから、仁木町農協との間でブドウの加工契約が結ばれ、生食用ブドウのワイン原料としての購入が始まりました。十勝とは土壌、気象条件が違い、ワイン専用種の栽培に適しているため、高品質のブドウが期待できました。1981(昭和56)年に「仁木町ワイン専用種ぶどう生産組合」が発足し、ワイン専用種Zweigeltrebe(ツバイゲルトレーベ)、Muller-Thurgau(ミュラー・トゥルガウ)、MorioMuskat(モリオ・マスカット)、Zalagyongye(ザラジュンジェ)の4品種の契約栽培が始まり、新品種も加え今日に至っています。余市町
仁木町と隣接し、道内一の果樹産地である余市町は、年平均気温が約8℃の果樹栽培に適した気象条件下にあります。2002(平成14年)から余市町農業協同組合と栽培契約を始め、3戸の農家でZweigeltrebe(ツバイゲルトレーベ)、Muller-Thurgau(ミュラー・トゥルガウ)、Bacchus(バッカス)、Kerner(ケルナー)など従来の品種のほか、ピノ・ノワール、メルロー、シャルドネといったメジャーな品種も栽培しています。余市町では全般的に日当たりが良い緩い傾斜地にブドウ園が多く、日照時間が多いので、ワイン専用種にとっても好条件となり、ワイナリーとの契約栽培農家も多く存在します。(自分のワイナリーでこだわりのワインを造りたいと夢見る人が、訪ねて見たい町です。)